microCMS

拡張フィールド

最終更新日:2023年11月28日

拡張フィールドを利用すると、外部データを管理画面内で選択できます。

独自に開発されたアプリケーションを拡張フィールドとして読み込むことで、デフォルトのフィールドにはない、柔軟なデータ管理を実現可能となります。

実際の利用イメージ

以下は、外部のメンバー情報を読み取り、選択する拡張フィールドのデモです。

【活用事例】メンバー一覧から特定のメンバーを選択する拡張フィールド
https://blog.microcms.io/member-select-expansion-field

拡張フィールドは内部の仕組みとしてiframeを利用しています。詳細な技術仕様や実装方法を以下で紹介します。

仕様

拡張フィールドでは、iframeとmicroCMS管理画面の間でwindow.postMessage APIを用いて値のやり取りを行います。


microCMSからiframeへの通信仕様

①初期値の取得

まず、拡張フィールドが設定されているコンテンツ作成/編集画面を開くと、microCMS管理画面からiframeに対して下記のようにpostMessageを行います。

{
  id: 'sfa3ff2c',  // iframe識別子
  action: 'MICROCMS_GET_DEFAULT_DATA',
  message: value  // 設定済みの値,
  user: {
    email: 'user-email' // ログイン中のユーザーメールアドレス
  }
}


iframe側はmessageイベントに対してEventListenerを設定しておくことで、上記のメッセージを受け取ることができます。
idは送信時に使用するのでどこかに保持しておきましょう。
messageの値は初期値として利用します。(初回はundefinedです)
user.emailの値はログイン中のユーザーメールアドレスです。

window.addEventListener('message', (e) => {
  if (
    e.isTrusted === true &&
    e.data.action === 'MICROCMS_GET_DEFAULT_DATA'
  ) {
   // idやmessageを保存する
    // e.data.id: 識別子
    // e.data.message: 設定済みの値
    // e.data.user.email ログイン中のユーザーメールアドレス情報
  }
});


iframeからmicroCMSへの通信仕様

②データの送信

逆に何らかのデータをiframe側からmicroCMSの管理画面に対してPOSTしたい場合は下記のようにpostMessageを行います。

window.parent.postMessage(
  {
    id: 'sfa3ff2c',  // iframe識別子
    action: 'MICROCMS_POST_DATA',
    message: {
      id: 'some-id',
      title: 'some-title',
      description: 'some-description',
      imageUrl: 'some-image-url',
      updatedAt: 'some-updated-at',
      data: {    // APIのレスポンスとなる部分
        id: '123'
      }
    }
  },
  'https://your-service-id.microcms.io'
);


idには画面ロード時にmicroCMS側から受け取ったidを指定してください。
actionには'MICROCMS_POST_DATA'と指定してください。
messageにはメタ情報として次の項目があります。

  • id(String)
  • title(String)
  • description(String)
  • imageUrl(String: URL形式)
  • updatedAt(Date)


これらは全て任意項目であり、microCMSの管理画面内で管理しやすいように設定する値です。
設定しておくと、コンテンツ一覧画面等で表示されます。

また、APIレスポンス用のフィールドとしてdataがあります。

  • data(型不定)


dataに指定した値が実際にコンテンツのGET APIからiframeフィールド用の値として返されます。

セキュアな通信を行うために、postMessageの第二引数にはmicroCMS管理画面のURLを指定します。

②'レスポンス

postMessageにはレスポンスは存在しないのですが、データ変更が成功したかどうかを知るために擬似的なレスポンスを返します。
成功時には以下のようなpostMessageを受け取ることができます。

{
  id: 'sfa3ff2c',  // iframe識別子
  action: 'MICROCMS_POST_DATA_SUCCESS',
  message: value  // 送信した値
}


失敗時には以下のようなpostMessageが返されます。

{
  id: 'sfa3ff2c',  // iframe識別子
  action: 'MICROCMS_POST_DATA_FAILURE',
  error: 'エラーメッセージ'
}


③スタイルの変更

iframeの高さは初期ロード時に決定してしまうため、iframe内のUIが変化した際に見づらくなってしまう可能性があります。
そこで、iframeから下記のようなpostMessageを行うことで、iframe自体のheight, widthを変更することができます。

window.parent.postMessage(
  {
    id: this.id,
    action: 'MICROCMS_UPDATE_STYLE',
    message: {
      height: 300,
      width: '100%'
    }
  },
  'https://your-service-id.microcms.io'
);


APIからのレスポンス

④レスポンスの取得

次のようなAPIスキーマを例に挙げます。



iframeフィールドにdataとして下記の値をセットします。

{
    data: {
        id: '123'
    }
}


入力された値はコンテンツのGET APIから次のように取得することができます。

{
    "id": "mir1wo77g",
    "createdAt": "2020-07-21T14:12:14.606Z",
    "updatedAt": "2020-07-21T14:12:14.606Z",
    "publishedAt": "2020-07-21T14:12:14.606Z",
    "title": "タイトルのテスト",
    "iframe": {
        "id": "123"
    }
}

コンテンツAPIのクエリ指定方法について

レスポンスとして返却される領域(data)については、現状はクエリをご利用いただくことができません。

メタ情報の領域(id,title,description,imageUrl,updatedAt)については、クエリを利用することが可能です。

適用可能なクエリ

  • filters
  • q(id,title,description,imageUrlが検索対象です。)

フィールドの指定方法

  • {フィールド名}.id 
  • {フィールド名}.title
  • {フィールド名}.description
  • {フィールド名}.imageUrl
  • {フィールド名}.updatedAt

クエリ例

  • ?filters={フィールド名}.id[equals]some-id
  • ?filters={フィールド名}.title[contains]some-title

microCMS管理画面での設定方法

API設定 > APIスキーマの種類から「拡張フィールド」を選択します。



拡張フィールドで読み込みたいURLを入力します。localhostも指定可能です。



フィールドの設定は以上で完了です。
コンテンツの編集画面に遷移すると、先ほど指定したURLがiframeによって表示されます。

APIの詳細設定

拡張フィールドの詳細設定では、以下の項目について設定が可能です。

  • 必須項目(ON or OFF)
  • 説明文
  • 拡張フィールドURL
informationInformation

拡張フィールドの入力内容の必須項目チェックにつきまして、入力内容は読み込んでいるアプリケーションにより様々ですので、通常のフィールドと同様の基準でのチェックは行えない仕様となっております。
(具体的には、一度でもiframe側からデータ送信が行われると、それ以降は入力済みとして認識される仕様となります。)

厳密なチェックを行う場合は、お手数ですが、読み込むアプリケーション側でバリデーションチェックを入れていただくなどのご対応をお願い申し上げます。

microcms-field-extension(SDK)

iframeの仕様を意識せずに拡張フィールドを実装できるSDKです。
以下URLの microcms-field-extension は複数のライブラリを管理しているリポジトリです。
様々なライブラリやテンプレートをご用意しています。

GitHub - microcmsio/microcms-field-extension: Libraries for create field extension
https://github.com/microcmsio/microcms-field-extension

microcms-field-extension-api

フレームワークに依存しないライブラリです。JavaScript・TypeScriptはもちろん、Vue.jsなどの各種フレームワークでご利用いただけます。

https://github.com/microcmsio/microcms-field-extension/tree/main/packages/api

microcms-field-extension-react

microcms-field-extension-api をラップしたReact Hooksベースのライブラリです。Reactを使用する際にはこちらをご利用いただくと便利です。

https://github.com/microcmsio/microcms-field-extension/tree/main/packages/react

各種テンプレート・example

create-react-appとNext.jsなどのテンプレートがあります。npx でコマンドを叩くことで、拡張フィールドの実装環境を簡単に構築することができます。
例えばNext.jsは以下のコマンドを実行するだけで環境を構築できます。

npx create-next-app my-app --example https://github.com/microcmsio/microcms-field-extension-sdk/tree/main/examples/nextjs
cd my-app
export NEXT_PUBLIC_MICROCMS_ORIGIN='https://example.microcms.io'
npm run dev

また、その他にもexampleも追加予定です。

https://github.com/microcmsio/microcms-field-extension/tree/main/examples